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愛でる。愉しむ。暮らしのこっとう

2021.9.29 up text/松木カオリ photo/東海林えいこ

愛でる。愉しむ。暮らしのこっとう

興味はあるけど、高級で敷居が高そう…。

そんな勝手なイメージから、これまでondoで扱う機会がなかった〝こっとう〟。

SNSで〝こっとう〟の新たな愉しみ方を発信する「心斎橋暮らしのこっとう」さんとの出会いをきっかけに、私たちもその魅力に触れることになりました。

先日開催したフェアに向けてセレクトいただいたのは、価格もお手頃で初心者の私たちにも気軽に手に取れるものたち。
毎日それらと向き合い、その絵柄の成り立ちを知り、
お客様にご案内をしていく中で、私たちならではの楽しみ方を見つけていきました。

それが「下手物(ゲテモノ)」と呼ばれる〝こっとう〟の存在です。
そこには「なんだかかわいい」「ユルいなぁ」「力抜けてていいな」など、思わず愛でたくなるような、親しみ溢れた〝こっとう〟の姿が浮かび上がってきました。

愛でる。愉しむ。暮らしのこっとう

可愛くて、ゆるくて、親しみやすい「下手物(ゲテモノ)」

今回ご紹介するのは、主に江戸後期に作られた古伊万里とよばれるこっとうです。
佐賀県・有田で制作され、近くの伊万里港から日本全国へ出荷されていたことから名付けられた伊万里焼。

当初は、輸出用として高い技術を使って作られており、国内では大名など限られた人々しか使えませんでしたが、暮らしが豊かになり外食産業が盛んになる江戸後期、急速に器への需要が高まりました。

その需要に応えるために、絵の上手な職人だけでは賄いきれず、経験の浅い素人に近い職人が制作を手がけることも増え、下手(ゲテ)な器が増えたとか。

これが、高い技術により精巧に作られた「上手物(ジョウテモノ)」に対し、
「下手物(ゲテモノ)」と呼ばれるこっとうです。

絵柄をよく見ると、まっすぐでない線、なんともユーモラスな人の表情、ゆるキャラのような動物など...愛着を感じるモチーフを発見することができます。江戸時代にこんな絵を描いていた人がいたなんて、なんだか微笑ましいですね。

こっとうの中でも、特にこの時代の物は現在も出回っている数も多く、比較的安価で手に入りやすいのも魅力のひとつです。

ちなみに、明治時代に鉄道が開通し、輸送手段が船から鉄道に移行すると、
それ以降、有田で焼かれるものを「有田焼」、伊万里で焼かれるものを「伊万里焼」、
それ以前に船で積み出されていた時代のものを「古伊万里」と呼んで区別されるようになったとか。

愛でる。愉しむ。暮らしのこっとう

磁器と陶器の違いって?

焼き物の中で、よく耳にする〝陶器〟と〝磁器〟という言葉。
実は、素材となる土の主な成分(粘土・珪石・長石)の割合によって決まってきます。

陶器は〝粘土〟の割合が高く、素地は茶色で吸水性があり。
磁器は〝長石〟の割合が高く、素地は白色で吸水性はなし。

磁器の方が、陶器より100°〜200°ほど高い1300°以上の高温で焼かれ、
素地の珪石・長石の働きによってガラス化して硬くその分、熱伝導率が高く、熱しやすく&冷めやすいといった特長があります。

今回ご紹介している古伊万里は、日本初の磁器といわれています。

愛でる。愉しむ。暮らしのこっとう

シンプルとカラフル。気分に合わせて、選んでも◎

〝こっとう〟の代表的なものとして、青一色のシンプルなもの、鮮やかな色を使って描かれた華やかなものがあります。

それが〝染付〟と〝色絵〟と呼ばれているものです。

シンプルで、透き通るような青一色で描かれる〝染付〟は、
コバルト(金属)を主成分とする顔料で文様を描き、透明釉薬をかけて高温で焼いたもの。
カラフルな〝色絵〟は、染付の上から更に赤黄緑などの色を乗せ、再度低温で焼いたもの。

シンプルとカラフル。
その日の気分に合わせて、スタンドに立てかけて部屋のお気に入りの場所に飾ったり、
お気に入りのアクセサリーをいれてみたり、大好きなスイーツを乗せてみたりと、
気軽に自分なりの愉しみ方を見つけてみてください。


職人さんの上手な絵から下手なものまで、200年以上前に生きた人が描いた絵に触れることができるのは、なんともいえない浪漫を感じます。
時代を超えてここにやってきた、〝こっとう〟をぜひ、暮らしの中に取り入れてもらえたら嬉しいです。

普段のお手入れや、気をつけた方がいいことって?

最後に、お家でのお手入れ方法もご紹介します。

磁器を洗うときは、台所用漂白剤につけての洗浄も可能。
汚れが溜まりやすい部分は、スポンジでこするとよく取れます。
その際、青色以外の色がついてる部分は剥がれる可能性があるのでお気をつけください。
中でも、金彩のある物は電子レンジはNG。

骨董全般でいうと、どうしても古いものなので、
丁寧に扱う方が良いこともあり、レンジ・食洗機などは避けた方が無難です。

 

心斎橋 暮らしのこっとう
いつもの暮らしにほんの少しの華やぎを。普段使いのこっとうをセレクトし展示販売しております。 
大阪市中央区南船場4-8-6 渕上ビル1F
月〜金曜 13-17時オープン ※日祝休 ※土曜は事前予約制(予約できない日もございます。予めご了承ください。)
HP_https://www.art-en.jp/ twitter_@kurashinokotto instagram_@kurashinokotto 

  • 愛でる。愉しむ。暮らしのこっとう
    絵柄を愉しんだり。
  • 愛でる。愉しむ。暮らしのこっとう
    お気に入りのアクセサリー入れに。
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    大好きなスイーツと愉しんだり。
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    ガラスのアイテムとあわせたり。

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